厚生労働省は9月15日、「PTP包装シート誤飲防止対策について」都道府県へ通知し、医療機関や薬局に周知するよう促した。1錠に切り離された薬をPTP包装ごとに飲み込んでしまい、喉や食道を傷つけるという事故が多発している実態を受けてのものだ。
PTP包装は広く普及しているが、以前から誤飲事故が問題となっている。1996年3月には業界団体の自主申し合わせにより、ミシン目を一方向のみとし、1錠ずつ切り離せないようにしたが、依然としてなくなっていない。2000年から2009年までの9年間で危害情報システムに寄せられた誤飲事故件数は86件にも及んだ。特に高齢者が多く、全体の8割以上を占めており、誤飲の危害部位としては、食道、腹部、鼻・咽喉が多かった。飲み込んでしまった包装は自力で取り出すことが困難で身体への負担も大きい。軽傷で済んでいる場合もあるが、入院を要する事例が10件もあった。
誤飲防止のため薬剤師には、①調剤・与薬時に不必要に1錠ずつ切り離さないようにすること、②患者及び家族に必要に応じて服薬指導を行うこと、③高齢者、誤飲の可能性がある患者については一包化による処方を検討し、必要に応じて処方医に照会の上、一包化による調剤を行うこと――などが求められた。
東京都薬剤師会は、2010年度「第1期薬局実務実習に関する指導薬剤師アンケート」の集計結果をまとめた。実習生を受け入れた指導薬剤師の8割以上が実習生を受け入れて「自分にとってよかった」と考えていることが明らかになった。
調査は、初めて薬局実務実習を担当した指導薬剤師に対して「実習生を受け入れてよかったと思うこと」と「指導する際に困ったこと、難しかったこと」の2つに分けアンケートを実施した。それらの問題点を把握し、第2期以降の実習の充実に生かすのが目的。
実習生を受け入れた同会員薬局388軒のうち、348軒から回答が得られた。
アンケート結果による上位回答は以下の通り。
実習生を受け入れてよかったと思うこと
・自分にとって良かった(281件)
・薬局内の問題点が明らかになり、環境が良くなった(195件)
・学生がよくがんばり、戦力にもなった(68件)
・エリアで協力・支援がうまくいった(26件)
・指導方法が向上した。(23件)他
指導する際に困ったこと、難しかったこと
・実施が不十分なカリキュラムがあった(168件)
・指導方法に難しさや不安を覚えた(107件)
・調剤に時間がかかり残業が増えた(58件)
・時間が足りない。実習が長過ぎる(47件)
・学生のモチベーションに差がある(44件)他